序章 〜廻る歯車〜
illustration by とらりーば
急いで救護班のところへ運ぼうとして、少女を抱き上げた瞬間、彼は息を呑んだ。
少女の細い両手首に見つけた、不釣合いなもの。
鎖と手錠。
彼を追いかけてきた者たちの声が徐々に近づいてくるのを感じながら、彼はその場に立ち尽くしていた。
赤い炎の光を反射する、銀色の十字のピアスが少女の左の耳に揺れているのが印象的だった――。