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●指輪の仲間ーFellowship of the LOTR
●タラマスカのタマゴ
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The Hours

出演:ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ
監督:スティーヴン・ダルドリー
鑑賞日:02/08/03
ジャンル:ドラマ

<ストーリー>
 1929年。医師と雇い人の世話を受けながら郊外で静養していたヴァージニア・ウルフは『ダロウェイ夫人(Mrs. Dalloway)』という小説を書き始める。1951年。妊娠中の主婦、ローラ・ブラウンは『ダロウェイ夫人』という本に気をとられてばかりで、夫の誕生日ケーキがなかなかうまく作れない。2001年。編集者のクラリサ・ボーンはエイズを患わっている作家で友人リチャード(エド・ハリス)の受賞パーティーを開こうとしていた。

 3つの異なる時間(時代)に生きる3人の女性たちのある1日を『ダロウェイ夫人』という作品を軸に、作者、読者、そして主人公のように生きる者、それぞれ描いた作品。率直に言うと理解するのが難しい(苦笑)。生まれて初めて映画を理解するために他人(夫)に解説を求めるという経験をした。違う時代に生きた人たちの瞬間がシンクロして描かれているというだけではないからだ。この映画を本当に理解しながら見るためには少なくともヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』を読むことは必須と思われる。実際、アメリカの大手オンライン書店などでは『ダロウェイ夫人』が飛ぶように売れている。これは「映画を見て興味を持って」というよりは、映画を見てもどうもピンとこなかったことを、原作を読むことで解決しようとしている人が多いからではないかと思う。実は私もこの映画を見てから『ダロウェイ夫人』を購入した1人だ。
 さて、この映画で何が描かれているのか……「死んでるように生きるのか、生きるように死ぬのか、それが問題だ」 私はこのように解釈した。自分を愛してくれる人、自分を幸せにしようとしてくれている人がいる。それが知人、友人といったフランクな付き合いで済むならともかく、それが配偶者や家族、恋人といった、もっと深い結びつきが求められる関係だったら? しかもあなたは相手をそれほど愛していないとしたら? それにそういう生活をもともと望んでいなかったとしたら? あなたはそういう時間をどう耐えるのか? この映画には自分だけでなく、自分に尽くしてくれている人をも解放するために死を選ぶ者と、人から白い目で見られることになっても逃げて、自分自身をを取り戻そうとする2種類のタイプの人間が出てくる。映画はどちらを肯定、あるいは否定することなく常にあなたに語りかける「あなただったらどうするのか」と。
 テーマがテーマだけに、情緒不安定な時期にはあまり見ない方がいいと思う。私自身、この映画を見た後、かなり気持ちが重くなった。もっとも、小説の映画化でなかったら、というよりもヴァージニア・ウルフの生涯を描いた作品であったら、もっともっと興味と理解を持って見られたのではないか、と感じた。(余談だが、ヴァージニア・ウルフについて研究している人たちにはこの映画の評判はあまり良くないらしい)

The Lord of The Rings: The Two Towers

出演:イライジャ・ウッド、イアン・マッケレン、ヴィゴ・モーテンセン
監督:ピーター・ジャクソン
鑑賞日:12/18/02、12/25/02、12/30/02、02/16/03
ジャンル:ファンダジー/アドヴェンチャー

<ストーリー>
ガンダルフ、ボロミア……1人、そしてまた1人と仲間を失う“指輪の仲間”たち。メリーとピピンがオークにさらわれ、彼らを追うアラゴルン、レゴラス、ギムリ、そして1人で使命を果たそうと黙って旅立ったフロドとあくまでもフロドについて行くサム、と仲間はバラバラに分かれてしまう。ずっとフロドの指輪を狙って追って来たゴラムはとうとうフロドたちにつかまり、モルドールまでの道案内を命ぜられる。一方、アラゴルンたちはローハンのエオメルから、途中で見つけたオークたちは皆殺しにしたので、生き残った者はないと聞かされ絶望するが……

 好きな映画なのに、3回も見たのに感想を書くのが難しかった。ファン、あるいは前作『旅の仲間』の続きが見たくてウズウズしていた観客が待ちに待った『2つの塔』だが、今回は個人的に良かったと思う点と悪かったと思う点に分けて書いてみようと思う。
 まず悪かった点から。『旅の仲間』で見たようなショットが、前作の解説的なシーンでないところでもときどき出てきたのにはガッカリ。また原作の設定もいじり過ぎだ。特に目に付いたのはアラゴルンとファラミアの描き方。アラゴルンがローハンの姫、エオウィンに思わせぶりな言動や行動を取るのはなんなのだ。またアルウェンについても過度に触れ過ぎ。それでなくても指輪の仲間が3組に分かれてしまって、それぞれを十分に描く余裕がないのに、余計な、しかも原作にないシーンなどを入れてかんじんなことが描けないのでは意味がない。ファラミアは勇敢に戦って死んだボロミアの弟だが、彼の登場が興味深いのは「指輪をゴンドールに!」というボロミアと反対に、指輪への執着心をさほど見せることなく、またボロミアが死んだいきさつを知ってフロドの使命への理解を深めるというキャラクターだから。にもかかわらず、フロドたちをとらえてオスギリアスまで連れて行き、執政である父親に「強力な贈り物」として引き渡そうとさえする。戦闘シーンもあんなに時間を裂くべきだったか疑問。窮地に陥った人々が立ち上がるのはかなりドラマチックな展開だが、こまかくていねいに見せる必要はないと思う。戦闘シーンと比較して、フロド&サム組、メリー&ピピン組はそれほど丁寧には描かれていない。「これだけ見せておけばいいだろう」的な感じだ。彼らにしてもアラゴルンたちと同じくらい後のストーリーに重要な意味を持つ経験をしている。アクション・フィギュアの売上を意識したかのような映画作りにはトールキン氏も思わずパイプを落とすのでは? とにかく省略や設定変更がありながらも、前作『旅の仲間』では感じられたような“味わい”が、今回は感じられなかったのは本当に残念!
 変わって、次に良かった点。これはなんといっても特種効果の素晴らしさと、特筆すべきは役者の演技によってコントロールされたCGのゴラム。あの表情の豊かさはタダものではない。映画の最後の最後に見せるズル賢い小悪魔の表情などはもう絶句もの。ゴラムの分身アンディ・サーキスを助演男優として評価してもらうように、現在、映画会社はプロモートに励んでいるようだが、まあそこまでやってくれとは言わなくても、特別賞くらいには十分値すると思う。実はゴラムは原作ではそんなに可愛い存在ではない。赤ん坊をさらっては喰ったりしているような化け物だ。それでも映画の中に出てくるゴラムをかわいいと思ってしまうことを止められない。それと『旅の仲間』ではあまりメインの出番がなかったギムリがけっこう活躍しているのがいい。レゴラスと兄弟のように結束する様子もよく伝わってくる。それからエルロンドがアルウェンにアラゴルンと結ばれることがどういう結末になるのかを語って聞かせるシーンがあるが、これは日本版では“追補遍”に収録されているストーリーで、原作ファンには嬉しいボーナスといったところだ。また、ヘルム峡谷にエルフの戦士たちを登場させるのは、原作にない設定だが効果的だったし、とてもよかった。
 とだいたいおおまかなところとしてはこんなところだが、今回は特に1回見ただけでは映画を受け止めきれないと思う。1度目はどうしてもアッという間に終わってしまうので
2回以上は見る覚悟が必要。言うまでもないことだが、前作を見ていない人は必ず見ておくこと。『2つの塔』には始まりも終わりもないので、いきなりこれを見てもなにがなんだかわからない。ちなみにアメリカの映画館の中には『The Lord of The Rings 2』という間抜けな表示をしているところがある。もしかしたら、テロの影響で『The Two Towers』というタイトルを改めるように、署名運動にまでなったことが原因かもしれないが。(WTCの場合は“ツイン・タワー”と呼ばれていたのではなかったかと思うけど) この作品に関しては1つのストーリーを切りのいいところで分けている(もともとは出版の都合)だけなので、単なる続き物ではないことはぜひ知っておきましょう。

PS:このレビューを上げた後、テレビでアンディ・サーキスのミニ・インタビューを見た。撮影時の様子が少し紹介されたが、ゴラムが彼ではないという以外はすべて“生の演技”。声なども特種効果で変えているのかと思ったが、なんとあれもアンディ自身がしゃべっているのだそうだ。これなら助演男優候補になってもまったくおかしくないと思う。

Real Women Have Curves

出演:アメリカ・フェラーラ、ルーペ・オンティヴェロス、イングリッド・オリウ
監督:パトリシア・カルドソ
鑑賞日:11/02/02
ジャンル:ドラマ/コメディ

<ストーリー>
高校生活最後の日。アナは憂鬱だった。同じクラスの同級生たちはいろいろプランがあるというのに、アナは明日から職を探さなければならなかった。学校から戻ると家族がささやかなお祝いをしてくれた。その喜びにひたるのもつかの間、アナは母親の命令で次の日から姉が運営するドレス工場を手伝わされることになってしまった。ドレス工場は、高級デパートで600ドルで販売されるドレスを、1着18ドルという値段で作らされている奴隷労働のような状況だった。数日後、高校の先生が大学の奨学金への申請を勧めるため家族を説得に来るが、アナを大学に行かせてもいいという父親を無視し、母親は猛反対。 「私は13歳のときからずっと働いている。今度はアナの番だ」
しかしアナは進学の夢を断ち切れず、家族に内緒で奨学金に応募してしまう。

 この映画のことを知ったのは実は『マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング』の予告編だった。『マイ・ビッグ〜』と同じようにハリウッドではあまり取り上げられない人種をフューチャーした映画が今後はちょっとしたブームになるのかと期待して見に行った。『リアル・ウーマン・ハブ・カーブス』はメキシコ人のアナというティーンの女の子が高校を卒業してから巣立つまでの話。これにメキシコ人の家庭がからんで描かれている。映画館の予告編で流れたのは、アナの姉が経営するドレス工場でのシーンで、実の母親に「ブクブク豚みたいに太って!」などと体格のことについていつも嫌味を言われ続けているアナが切れて、最低限下着姿になって、いかに自分が自分の体を気に入っているかをブチまけるというシーン。アナにつられて工場の女性たちが皆、アナと同じように下着姿になり、いかに自分のほうが“太っているか”を競い合うというとてもおかしなシーンで、これがタイトルにも結びついているようだ。しかし映画全体として見ると、このシーン以外は特に見どころもないので、なんとなくテレビ番組の延長版を見ているような気分になった。(映画はケーブルTV会社のHBO。HBOは『マイ・ビッグ〜』の製作にも関わった)
 余談だが、アメリカのPBS(Public Broadcast System)という、日本でいうとNHKや教育テレビのような内容の番組を放映する自主運営のテレビ局がある。そのPBSのプログラムの1つに『アメリカン・ファミリー』という、これまたあるメキシコ人の家庭を描いた番組がある。メキシコ人の家庭では核と言っても過言ではない母親を失ってから、家族が出会う試練や母親との思い出が見事に描かれていて、涙なしでは見られない。この番組の存在を知っているだけに、『リアル・ウーマン〜』にあまり深みが感じられなかったのも事実。
 しかし、違った人種の映画がこのようにどんどん作られ、しかもきちんと映画館で上映されるのはいいことだし、それを観客が見ることによって、一時的なブームではなく継続的にサポートされるなら見る側としても本望だ。

The Ring

出演:ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、デイヴィッド・ドーフマン
監督:ゴア・ヴァービンスキー
鑑賞日:10/19/02
ジャンル:ホラー/ミステリー/スリラー

<ストーリー>
ある晩、シアトル郊外で1人の少女が謎の死を遂げた。少女の叔母でシアトル・ポスト紙の記者、レイチェルは、姪のケイティの死の謎を追ううちに他の3人の若い男女も同じ日の同じ時刻に不可解な死を遂げていたことを突き止める。そしてレイチェルはケイティの葬式で、あるビデオテープにまつわる噂を耳にし、死の7日前に4人が一緒に泊ったという山小屋を訪れ、一本のビデオテープを見つける。レイチェルは真実に迫るためにそのビデオを1人で見てしまう。見終わった直後に電話が鳴り、無気味な声の主はレイチェルに「7日後……」と宣告する。残された時間の中でレイチェルは元夫のカメラマン、ノアの協力を得て、この呪いのビデオの謎を解明しようと必死だった。そんな中、可愛い1人息子のエイダンが家に置いてあったビデオを見てしまった。もはや自分のためだけでなく、エイダンを救うためにもビデオの呪いを解かねばならない。レイチェルはビデオの中に出てきた灯台の映像を元に場所を割り出し、ノアとともにある小島に向かった。

 日本の皆さんにはご存じのあの映画のリメイク。レビューなどでは「日本映画のリメイク」と解説されているものの、多くのアメリカ人は意外にオリジナルが日本映画だと知らない人が多いようだ。と前置きはそれくらいにしておいて、この映画に関してはリメイクとしてどれくらい忠実に仕上がっているかを評価するつもりで見た。カメラ・ワークは文句なしに素晴らしい! ほとんど日本版と違和感なく、同じような雰囲気が表現しきれている。これだけでもランクAに値すると思う。(今回は“金”だが、これは“銀”に限りなく近い) 主人公レイチェルの息子、エイダンの設定(『シックス・センス』を意識している?)や、精神病院のシーンなどを見ると、米国版リングは必ずしも日本版リングではなく、日本版の他の「リング」シリーズからのシーンもチョコチョコっと入っているようにも思えるが、全般的に脚本というか、ストーリー・ラインの設定はその優れたカメラ・ワークに追い付かないばかりか、足を引っ張る結果になった。まず、どうしてオリジナルと同じく、母親が超能力者でサマラ(米国版貞子)もその力を継承したという設定にならなかったのか? 写真で顔がゆがんでたりすると「心霊写真?」とすぐに反応できる日本人と違って、アメリカ人には心霊写真というものがわかりにくいかもしれないが、超能力の線はそのままでもアメリカの観客は十分理解できると思う。サマラ(貞子)の怨念がビデオテープと化して、それがウイルスのように浸透していくほど強力なものだとは、アメリカ版の設定だと説得力に欠けるし、馬をそれに関連づけているのはちょっと悪趣味だと思う。もともと日本版の方がはるかによくできているので、いまさらハリウッド様に作り直していただく必要もなかった。よっぽど日本版に英語字幕をつけて上映したほうがよかったかもしれない。

My Big Fat Greek Wedding

出演:ニア・ヴァルダロス、ジョン・コルベット、ジョーイ・ファトーン
監督:ジョエル・ズウィック
鑑賞日:10/14/02
ジャンル:コメディ/ロマンス

<ストーリー>
フォトゥーラ‘トゥーラ’・ポルトカロスは、シカゴで家族が経営するレストラン“ダンシング・ゾルバズ”で働く30歳のギリシャ人。父親のガス(マイケル・コンスタンティン)がトゥーラに望むのは、ナイスなギリシャ人の男性と結婚し、たくさん子供を産み育てて、家族に料理を作ることだった。しかし彼女はもっと違う人生を送りたかった。母親のマリア(レイニー・カザン)はトゥーラの望みを叶えるため、ガスを説き伏せてを大学のコンピュータ・クラスに通わせるように仕向ける。そしてそれを生かし、叔母の旅行代理店を任されることになった。そこでトゥーラは以前、レストランで働いている時に大ボケをかましてしまった憧れの人、イアンにふたたび出会う。2人はすぐに意気投合してこっそりデートするようになるが、2人の未来には“ギリシャの伝統”という大きな壁がたちはだかったていた。

 去年の大当たりが『アメリ』だとしたら、今年の大当たりは間違いなくコレ! ものすごく面白い。笑えます!
 同じ民族同士でかたまるというコンセプトは、日本人も似たようなところがあるので分かりやすいと思うが、これはギリシャ人の場合を描いている。そして彼らの場合は徹底している。そこがこの映画のおもしろさであり、ポイントだ。ストーリーはギリシャ人の女性がギリシャ人でない男性と出会って結婚するというだけの話なのだが、それがどれだけ大変で、かつヒステリックな出来事であるか、映画館でぜひ見て下さい。ロマンチックだからデート映画にもなるけれど、おおぜいでワイワイ見に行くのにもうってつけの映画。(でもマナーは守ろうね)
 実はこの映画をギリシャ系アメリカ人(両親はバリバリのギリシャ人!)の友人と見に行ったのだが、彼曰く「かなりリアルに描かれている」そうだ。またこの映画はトム・ハンクス&リタ・ウィルソン夫妻がプロデュースしているが、友人の情報によると、実はリタ・ウィルソンはギリシャ人(というかギリシャ系アメリカ人?)だそうで、彼らもギリシャ式の結婚式(ギリシャ正教会で行う)をしたそうだ。トムとリタの場合もこれだけの苦労があったかどうかは知らないが、どこか思い入れがあったのかもしれない。それと、この映画の脚本は主演のニア・ヴァルダロスによるもので、彼女はもちろんギリシャ人で、スタンドアップ・コメディアンなのだそうだ。
 友人はギリシャ系の有名人の話をするときに「彼とあった人が言ってたけど、」とか「友達が知り合いで」とか言うことがある。確かにこんな風に同じ民族同士で家族が膨張していくと、そういうふうになるんだろうなと、この映画をみてつくづく納得した。

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