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S





『S』番外編(4)



byゆう様


「超SS ある日の一コマ」    「超SS ある日の一コマ」

          by万里様

 あるうららかな昼下がり。
 机の上で、眉間にしわを寄せうなっている一人の男がいた。
 何かを悩んでいるのか、困っているのか、普段はほとんど表情が変わらないだけに、ここまでうなっていると、周りのものが何かやらかしたのかと、戦々恐々としながら、遠巻きに伺っていた。

 男は、突然立ち上がったかと思うと、
「やはり、自分の目で確かめに行こう。」
 と独り言を呟き、普段はあまりいない休憩所を後にした。
 遠巻きに伺っていた周りの者たちは、何だったのだろうと訝しげにしながらも、唸るなら、自分の部屋でして欲しいと強く思っていた。





 周りの迷惑かえりみず、地下アジトの休憩所で唸っていた男、無く子も黙る某組織の景山勲参謀は地下アジトを出た後、自分で車を運転してある場所に来ていた。

「う〜ん。やはりこっちの方がいいかもな・・・・。ピンクか?いや、ブルーもすてがたい・・・・。この形は・・・・。あぁ、これは・・・白も捨てがたいな・・・・。」
「うむ。どうなっているんだ。ほう・・・・こうなるのか。これをこうして・・・・。あぁ、こうなるのか。でも、少し重いかもしれないな。もう少し軽くなければ・・・・。」
「同じ物でも、音に違いがあるのか・・・。う〜〜ん。こっちの方が澄んだ音がするな。よし、これにしよう。」

 散々、一人でブツブツ呟きながら、思いつくままに動かしたり、振ってみたり、機能を確めたり、広げてみたりした景山は、気の済むまで仕事をほっぽりだし在る物達を確めるのに時間をかけていた。






 景山参謀が怪しい行動を繰り返したその日の午後、覇羅蛇邸のミルクの部屋に大量の荷物が届けられた。

「こっ、これはなに・・・・・・?」
「姫様にはご機嫌麗しゅう。お体の調子はいかがですか? おなかの御子は順調でしょうか・・・」
「景山さん。ありがとう。体の方は順調だけど・・・・この荷物は・・・・?」

 大きさの違うダンボールをミルクの目の前でごぞごぞと開封する景山。出てきたのは・・・・。

 足や柵の高さを変えられるベビーベット。
 手持ちのバーの方向やコンパクトに折りたためるA型とB型の高性能軽量型ベビーカー。
 ベットにつけるくるくる回るオルゴール。
 ベビーカーにつける色々なおもちゃ。
 歯固め数種類。
 ベットに設置する『離れてもママ安心(商品名)』泣き声をキャッチして離れたところにいるママに教えてくれる機械。
 滑り台&ブランコつき折りたたみジム。
 ベビー服数十種類・・・・・・。


 デパートでベビーカーやベットの機能を実際に動かし、重さを確めて確認して、さらにおもちゃの音を確めお出かけ用の防寒着から肌着・お出かけ着などなど・・・・・
 そこのフロアマネジャーを後ろに従え、自分が事前に雑誌やネットで調べた必要と思われる物、便利そうだと思った物を徹底的に確めて買い込んできたのだ。
 それは、ミルクの服やゲーム・ぬいぐるみを選ぶ以上に熱心に下調べをした上で、やはり自分の目で確めないと分からないと思い仕事をさっさと切り上げて買い物をしてきたのだった。

「・・・この量は・・・・しかも、男の子か女の子か分からないのに・・・・。」
「可愛くないですか? これなんかどっちでも着れると思ったのですが・・・」
「あぁーっ!! それ可愛いっ!! あっ!! これフードに耳ついてるぅ〜vv」
「これの音も一番良い音を選んだんですよ・・・」
「本当だぁ〜♪ これはなに?」
「あぁ、それは・・・・・」


 ごそごそとダンボールから出しては組み立て、機能を確め、服をひろげては批評をしあい、便利アイディアグッツにはミルクに使い方を教えていく・・・・。
 最初は大量の荷物に、しかも、まだまだ4ヶ月にも満たないお腹の子の為の物に唖然としていたミルクだが、子供独特のカラフルなおもちゃや、色々な機能がついたベビーカーやらその他もろもろ・・・・・。
 あれもこれもと出してくる景山に、途中からは一緒になって楽しんでいた。

 さて、そんな二人をよそに面白くない雰囲気を漂わせた人ひとり。
 すでに二人から存在を忘れられているマサトである。
 楽しそうに顔を寄せ合い機能を確かめ合っている光景にこめかみに浮かんだ血管はぶち切れ寸前っ!!


「こらーっっ!! てめーらっ!! 俺の存在を忘れてねーかっ!!!!」

「「あっ、いたんだ(ですか)」」
「がぁーーーーっ!!! 最初からいたじゃねーかーっ!! 」
「いや、わっ、忘れてないよ? マサト。冗談よ〜。」
「そうですよ。ボス。わかってましたよ(たぶん)。 怒鳴り声は胎教に悪いですからやめていただきたいですねぇ・・・・」
「ぐっ・・・・」
「アリス様。これらは子供部屋に移しておきますので、残りはそこでお教えしますよ。」
「うん。まだ可愛いのあるの?」
「ありますとも。この景山が1ヶ月もかけて情報を集め選んだ品々です。まぁ、これからも情報収集は怠りませんが・・・・フッ。」
「いや〜ん♪ 全部見るぅ〜〜vv」


 ドアの外に待機していた部下に荷物を子供部屋に移動する事を指示すると、景山はアリスを促して部屋を出て行った・・・・。

 ひとり部屋に残されたマサトといえば・・・・・。


「くそっ〜。覚えて置けよ。海外出張に飛ばしてやる。砂漠地帯にしてやろう・・・・ふっふっふ・・・」

 無駄に終わるであろう景山排除作戦を練っていた・・・・。
 あぁ、憐れなり・・・・・チーン♪

            END