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St Valentine's Night

さっきから、画面を眺める顔がだんだんと不機嫌になっていく。
「もぉ、なにやってるんだろう…」
思わず口を尖らせる。
<バレンタインデーの夜は、ずっと二人で話していよう。>
そう言ったくせに…もう10時を回ったのに、画面上の相手は未だオフラインだ…。
遠距離恋愛…気付いたらそんな関係になっていた。
400KM、二人の間のキョリ…こんな時はことさら、長く感じる。
会いたくても、会えないから、せめてバレンタインの夜は…。って言ったのに。
今日は大学の講義が早く終って、友達と街へ出かけた。
街中がバレンタイン一色で、空しいね、って話しながら、早く帰ったのに…。
途中、友達に隠れて、こっそり、携帯で何度も彼女に確認した。
<今日は仕事、早く終われそう>
確かにそう言ってたのに…。
時計を見上げて、またため息をついた。
TVのスイッチを入れて、何気なくニュースを見ていて、はっと気が付いた。
慌てて、カーテンを開けて外を見る。
「!!」
雪だ…。いつのまにか、雪が降り始めていた。街灯の中を白いものがひらひらと舞っている。
机の上の携帯に目をやる。
30分前にかけたら、電源を切っているらしく、つかまらなかった…。
どこにいるんだろ…。
次々と雪が落ちてくる、暗い空を見上げた。
その時、いきなりドアをノックする音がした。
コンコンコン。
必要以上にビクッとして、ドアを見つめる。
コンコンコン。
心臓がドキドキと音を立てる。
こんな夜中に、尋ねてくる人間に心当たりはない。
そう言えば、エレベーターの中の張り紙…。下の階に入った泥棒…。
「だ、だれ?」
返事はない…。
コンコンコン。
とっさに、机の上の携帯に手をのばした。リダイアル。
お願い…出て!!
しばらくの沈黙のあと、コール音…と同時に、ドアの外から着信音が聞こえた。
え?これって…!?
ドアの外で慌てたような音がして、着信音が切れた。
と同時に、コール音も途切れた…。
え?!
携帯を握り締めたまま、ドアに走ると、勢いよく開けた。
ドアの向こうには、花束…と少しばつの悪そうな…彼女。
「うそ。。。」
「はい。」
差し出された花束を受け取ると、一緒にぎゅっと抱きしめられた。
「遅くなってごめんね。これから一緒に、バレンタインしよう?」
ずっと外を歩いてきた彼女の服は、雪で濡れていて、冷たくて…でも、抱きしめられた腕の中は何よりあったかかった。
「ハッピーバレンタイン」
今年初めての、そして最高の、KISS…。




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あとがき。
一応はずせないかな、と思ってはいたんですが< バレンタインエピソード。(笑)
いやあ、なんだか、もうちょっと色っぽい作品にならんだろうか。
構想10分執筆20分くらい?で書いたエライいい加減な作品です。
それでもアップしてしまう私っていったい…(−−;;
Feb 13, 2001 M.K
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