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4月15日「匂艶THE UNIT CLUB〜男も濡れる〜」レポ

 

始めに。

バッファロー吾郎の月イチイベントの4月はコレ。baseで初めて、「ユニットコント」を前面に押し出したイベントです。若手芸人さんのライブでは、こういう風にユニットが見られることが醍醐味のひとつだと思います。それは、せっかくたくさんの若手芸人さんが所属している吉本興業ならではのものだとも思うのに、2丁目がなくなってから、こういう風に自由な雰囲気でユニットイベントを作れるような感じじゃなかったなぁと思います。もちろん今だってそういう状況はさほど変わっていないと思うのですが、バッファロー吾郎がこういう試みをしてくれたことはとっても嬉しかったです。それに、バッファロー主催だったら、面白いに決まってるしね!

 

オープニング

舞台には、黒い服の男たちが戯れている。キレイな女性を口説いたり、めいめいに踊ったりしている。君と僕柳谷くんのナレーションで、ここが「クラブ花月」というナイトクラブであることが分かる。「クラブ花月へようこそ」

BGMはもちろんサザンオールスターズ「匂艶THE NIGHT CLUB」。この曲がサビにさしかかったところで、不意に全員が踊り出した。

ダンス自体はたぶんそんなに難しくない。手とか上半身を主に使ったもの。だけど・・・なんでみんなこんなにカッコいいの???今までいろんな芸人さんのダンスを見てきたけど、こんなに心奪われたのは初めてでした。あかんー、もうこれだけでこのイベントOKやわー、とわたしは、客席でどうしようもなくなっていました。ビデオカメラを持っていなかったことを、今まででいちばん後悔した日でした。オープニングで既にこの状態。あとは推して知るべしって感じやな。

 

「紫」

手元のアンケート用紙には、ネタのタイトルが全部書いてあった。だけど、一見しただけでは、いったいどんな内容のコントか全く分からないものばかり。どのメンバーが出演するかは、ネタ前のVTRで分かります。

学生服姿が眩しい長岡くんは、今日から高校生。クラブに入らないといけないけどあんまり頑張りたくないので、謎の「データ部」に籍だけおいて幽霊部員にさせてもらおうと、そのクラブを訪ねます。現れたのは、さんちゃん・竹若さんのふたり。彼らは、長岡くんにデータの素晴らしさを説き、それを実践してみせようとし・・・とにかく、しゃべりづめ(笑)。キャラ通りのことをしてるだけでもおかしいし、そのしゃべっていることも面白い。翻弄される長岡くんもおかしいし。こういうネタ、コンビネタ、ユニットに限らず大すきやわー

「NOS」

天才ピン芸人・小藪千豊がライブを終えて帰宅。どうも、最近ウケが悪いらしく、悩んでいる・・・のですが、帰宅した彼の背後に、グレーの浴衣を着た3人の小さい男たちが、こじんまりと付いてきている。でかいこやぶっちの後ろだというのもあって、その光景がとにかく可笑しい・・・。3人(木村、土肥、河本)は、「笑いの神様」なんだとこやぶっちに明かします。

でも、どーも様子がおかしい。「ギャグを伝授する」といってやってみせたギャグはちっとも面白くないし。そう、実は彼らは「すべり神」だったのです。「すべり神」というのは、「芸人が、面白くなくなってきたときに付く神様」なんだそうです。さて・・・これを明かしてからがこのコント、長い長い。この3人のキャラにピッタリ(と言ったら失礼かしら)な、「面白くないことが面白い」みたいなことを延々と。本当に長かったです。でも、長いとは感じていたものの、別にそれがiイヤっていうわけじゃなくて、そんな状況もおかしかったです。

ラスト、本当の「ウケ神様」が登場。これもキャラにピッタリ、古高くんです。ウケ神様の登場に、スベリ神は去ってゆきます(去って行き方も一筋縄じゃいかないんだけど)。そして、こやぶっちが、さぁ面白いことを伝授してもらおう、としたのですが、やはり様子がおかしい。全然面白くない。その原因は・・・。

トータルで30分近くこのコントやってたんじゃないかっていうくらい、長いコントでした。しかも、その大半を「面白くないところ」で占めるなんて。でも、それをやってるときの3人のスベリ神の楽しそうな顔を見ていたら、なんか全然OKだったのでした。

 

コーナー「チーク音楽を考えよう」

仕切りはシンドの鈴木くん。出演は、竹若、コバヤシ、灘儀、森、久馬、城野、後藤。チークタイムにふさわしい曲、松田聖子の「スィートメモリーズ」の歌詞を部分部分変えよう、という大喜利コーナーです。

 

1番の歌詞がパネルに出ていて、まずは「♪時間だけ後戻りしたの」の部分を変えましょう〜。このコーナーは、最初から最後までロッシーの独壇場でした。この歌詞を変えるのに、なんで「じっくり煮込んだ」なんていうフレーズを思いつくんでしょう??ほんと、ずぅっとロッシーで笑い続ける、ロッシー大ブレイクな状態でした。

結局採用されたのは、コバの「♪後ろにデ・ニーロが居たの」だったのですが、個人的には同じくコバの「バービーのイマサがサングラスを上げたの」っていうのがスキでした(^^)。あと、久馬さんにスベリ神がついてしまっていた様子が可笑しかったです。

 

ふたつ目は「♪幸せと、訊かないで」の部分。「幸せと」の部分だけを変えます。

久馬さんの「フィッシュ、オア、ビーフ?(と訊かないで)」は大喜利の王道の答えかな。採用された竹若さんの「人、殺せる?(と訊かないで)」はシュールで素敵。森くんの「その服、ポールスミス(灘儀)←灘儀がふりがなになってる」っていうのも笑いました!

 

最後は、1番のラスト「♪甘い記憶 スウィートメモリーズ」という部分を。「日本語を英語に訳したらいいの?」と誰かが言い出し、森くんが「♪果実大統領 フルーツプレジデント」と歌ったり、久馬さんが「♪久馬歩 ナインホースウォーク」って歌ったり・・・「久」って、ナインやってんや(笑)。
そして、そんなやりとりを見ていたロッシーが、「自分もそういうの出さなくちゃ」と思ったんでしょうね。一生懸命考えたであろう答えは、「♪なんでも置いてある デパート」でした。彼の中では「なんでもおいてある」=「デパート」っていうことみたいです。そして、みんながそれで爆笑しているのを見て、「あ、間違ってるんだ」と思ったらしく、「ザ・デパート」と書き換えていました。か、可愛い・・・結局、これが採用されました。もう〜ロッシー可愛すぎるよー。

 

こんな感じで、チークタイムのための曲ができあがりました。

 

「春のオレンジのズボン」

VTRが、河本・後藤・柳谷の3人が、難波高島屋の前の三和銀行にお金を下ろしに行くシーンを映します。そのあと、コントが始まります。

銀行では強盗が立て籠もり、30数人のお客さんと一緒に、彼らも人質にされてしまいました。そしてまず、支店長が殺され、「スーツ着てるやつ殺す」などと条件に当てはまった数人ずつが殺されていく。今となっては、あのバスジャック事件を予言していたかのような怖いシチュエーション。でも、殺すお客さんを選ぶ「条件」が、だんだんおかしくなってきた・・・強盗の声は影マイクです。

結局、この3人が最後に残り、ひとりずつ「ギャグをやれ。面白かったら解放してやる」と犯人に言われて、柳谷、後藤の順に結局殺されちゃう。最後に残った河本くん、彼もイマイチなギャグを連発するんだけど、犯人は何故か、河本くんにだけ、急所を外す。何を言っても、急所を外す。っていうところで幕。

 

河本くんと後藤くんが揃ってたら、次課長のソロイベントのユニットコントを思い出しちゃう。だから新鮮味がないっていう部分だけ、ちょっと残念でしたけれど、でも柳谷くんが入ってるっていうのもなんか嬉しかったし、演じる場所がバッファロー吾郎のイベントだっていうところも嬉しかったです。やっぱり、バッファロー吾郎のイベントに来るお客さんは、こういう若いメンバーのみのネタでもきちんと受け入れてくれる。面白さ通り、ちゃんとウケていたのがすごくよかったなぁと思います。マナーのいいお客さんで嬉しくなります。

 

「もてないん」

スミス灘儀さんとバッファロー木村さんの仲良しふたりのユニット。

ダンス教室に、1日体験にやってきた灘儀さん。ダンスの先生が木村さん。ピチピチのスパッツにお腹が半分出た衣装だけでも爆笑。木村先生のむちゃくちゃな指導に、灘儀さんはなんとか付いていき、ラストはふたりで見事なダンスを仕上げます。

途中、前に「場外ホームラン寄席」で「滅多に見せない」と言ってやっていた、木村さんの「イキったタンバリンの叩き方」が見られたのがすごく嬉しかった。この小ネタ、なんでこんなに面白いんだろうね。それと、ダンスということで動きがいっぱい取り入れられていて、そうなると灘儀さんが大活躍になるのも嬉しい。このふたりだけで何かやるっていうのは今まで見たことがなくて、でも今までもずっと一緒に何かやってきたような、そんな感じで良かったですね。

 

コーナー「お誕生日プレゼントのコーナー」

ナイトクラブには付きものなんだそうです、お客さんへのお誕生日プレゼントのコーナー。ここで、それを実際にやってしまおうということで、今日が誕生日の人(居なければいちばん近い人)を5人選んで、プレゼントをあげるという企画です。舞台には、大小さまざまの5つのプレゼントが並んでいます。さんちゃんが仕切りみたいな感じで、客席から5人のお客さん(男性含む)を選びました。そして、実際のプレゼントは、ホストたちとのチークダンスだったのでした。

先ほどのコーナーで作った替え歌バージョンの「スウィートメモリーズ」を河本くんが歌い上げる中、お客さんは5人の芸人さんとチークダンスをします。男性のお客さんと踊ったのは長岡くんでした。みんな照れちゃってあんまりチークになってない中、長岡くんはいちばん頑張っていました(笑)。

 

「北町」

出演者は、シンドバット、竹若、城野。

暗い地下室のようなところに、ロッシーが倒れてる。彼が意識を取り戻すと、そこには3人の男が居た。森くんは真面目な神父、鈴木くんは知恵遅れの子供、竹若さんはアロハシャツを着た軽薄そうな恋愛コラムニスト。ロッシーは郵便配達の途中に、他の3人も何も分からずにここに閉じこめられてしまったよう。4人は、なんとか脱出しようといろいろ試みますが、すべてダメ。だんだん混乱してくる4人。そのさなか、ある台詞を竹若さんが発した瞬間に、情勢が変わります。この状況は、竹若さんをあるところへ、しかも自主的に連れ戻すための作戦だったのです。

ちょっと暗めの雰囲気で始まって、何が起こってるかお客さんにも分からないストーリィ。そこへ、森くんや鈴木くんの演技(特に、知恵遅れ役の鈴木くんがよかった!)、竹若さんのキザな男の演技が被さってもう釘付け。ロッシーの本格ツッコミもすごく新鮮だったし。前半の演劇風の部分も、お芝居だけじゃなく笑わせる部分もいっぱいあったし、その前半までだけでもすごかったのに、ラストのタネ明かしの瞬間の客席のどよめきと笑い声ったらすごかったです。これいっかいきりでもうやらないのはあまりにももったいないです。このネタをやっていた10数分間、わたしはこの4人に完璧に飲み込まれていたなぁと思います。また飲まれたいです・・・。

 

「無賞暮らし」

ネタの前のVTRは、ビートルズの映像。ビートルズのメンバーの写真の下に出演者の名前が出ます。だけど、灘儀さんだけ、灘儀さんの写真でした(笑)。出演者は、灘儀、小林、古高、久馬。

ストーリィは、医者が3人。「医は算術」とうそぶく冷酷な医者が小林、久馬。まだ若い、理想に燃える熱い医者が灘儀。そして、孤児院出身の有名マラソン選手で、今「スコセッシ病」という難病に冒され入院しているのが古高。彼は、両足を切断するか、死か、という決断を迫られているが、灘儀は、どうにかして彼をまた走られるようにしてやりたいと、スコセッシ病の権威である久馬に頭を下げる。冷たく断る久馬だが、灘儀と古高が一緒にいるとき、古高のマラソンに対する想い「自分の欲望のために走っていました。有名になったら、自分の母親に逢えるんじゃないかと思って・・・」を告白してるのを偶然耳にし、心を動かされ、手術に踏み切ることにする・・・

というのが流れです。そう、ここまで聞いたら、ボケゼロのマジ芝居。このネタの見どころは、最後の最後にありました。「すんげー」時代、「劇団いのち」というユニットがありましたが、あれを数倍パワーアップさせたようなものだと思ってもらったらよいと思います。キーパーソンは、久馬さん。

ラスト以外は、重々しい雰囲気で、息をするのもはばかられるほどでした。最後まで悪役を崩さないコバ、見たことのない古高くんのマジ演技、熱い役がよく似合う灘儀さん、ボケてない久馬さん・・・もう、これだけでも見どころ満載。トリにもってきたのも頷ける感じ。しかも、あのラストですからね・・・こんな風に来るんじゃないだろうか、とはみんな思ってたと思う。でも、実際目の前でやられたらたまんないものがありました。どこかで再演されるわずかな可能性に賭けて、ここではそのラストは書かないでおきますが、それが実って本当に再演されたらいいな・・・。

 

 

クラブ花月は閉店の時間。アナウンスが流れ、シーンは閉店後のクラブ花月。ボーイさんたちが、お店の掃除をしています。木村さん、河本くん、灘儀さん、竹若さんの4人。

「・・・と、こういうイベントをやりたいと思ってるんや」
と木村さん。
「そうそう、この4人が班長になってな」
「自分たちでメンバー集めて」
と口々に・・・。そして、想いはそのユニットに。
「俺は、ビリジアンのさんちゃんとかと、キャラ通りのことやりたいな。ツッコミは長岡にやってもらって」
「僕は、銀行行ったら銀行強盗に人質にされて、『ギャグせえ』とか言われるユニットがやりたい」
なんていう感じ。
「たぶん長岡、イベントの最中やのにたこ焼き買いに行きそうな気がする」
「僕がやるユニット、ものすごく長くなって、やってる本人まで『長っ』って思いそうな気がする」
なんていう予想まで(笑)。実際起こったことを予想風にしゃべってるんで、ものすごく面白かったです。

そして、掃除も終わったので、クラブ花月は本当に閉店。

 

エンディング

オープニングと同じ全員が黒いスーツ。バンドのライブでボーカルが他のメンバーを紹介するような感じで、木村さんが、芸歴の若い順にひとりずつ紹介していき、紹介された人は一礼を。木村さんのことは竹若さんが紹介します。みんな、とっっても格好良かったです!

 

感想

いいイベントを見終わったあとには、ふた通りの感想を持ちます。ひとつは「あっという間だった〜」と思って時計を見たらすごい時間になってるんで驚く、というもの。もうひとつは、「あ〜充実してた〜」と思って終わって時計を見たら意外と時間が経ってなくて、「あの短い時間でこれだけのことをやったの!?」と驚く、というもの。この日の感想は、後者でした。バッファロー吾郎のイベントから発せられるこのギュッと詰まった面白テンションは何なんでしょうね。特にこの日は、たくさんの芸人さんが出演するので、楽しい気分も山盛りで、尚更充実していたように思います。いつも、「baseになってあんまりいいことないな」って思うけど、バッファローとかの、天然劇場やフルーツ大統領のメンバーが2丁目メンバーと融合したということだけは、すごく嬉しいことだなって思います。単純に見る機会が増えただけでも嬉しいのに、こうやっていいイベントをやってくれるんだもんね。バッファローには、これからも毎月こんな素敵なイベントをお願いしたいです。

(2000.5.25記)

 

 

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