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6月22日「ハイブローシアターwith後藤ひろひと」レポ

 

始めに。

今まで3回やってきた「ハイブローライブ」も、ネタやユニットだけでなく、お芝居やったり、ダンスやったり、いろんな企画やったり、はたまた5時間ライブやったり、いろんな試みをしてきたたむらけんじプロデュースライブ。今回は、それらのハイブローライブともまた違った、「お芝居メイン」のライブ。しかも、ゲスト演出に、piperの後藤ひろひとさんを迎えてという新機軸。baseや2丁目のライブに今までなかったものを作ってくれそうです。

 

オープニング

舞台の幕は閉じたまま。舞台向かって右側前方の客席の扉から、女装した浜本くん、高橋くん、たむけん、鈴木くん、こやぶっちが登場。幕の前でコントが始まります。内容は、今から始まるハイブローライブを楽しみにしているファンの女子高生のやりとり、みたいな感じ。「今回はお芝居らしいわよぉー」「ハイブローシアターwith阪神の葛西だって!」(笑)「大物ゲストも来るんだって!」「どうするー?たむけんが俳優になっちゃったらー。ビューテイフルライフ2とか出ちゃったらどうする??」(←これはたむけんの台詞)と、やたらめったらキャピキャピした女子高生たち(^^;ハイブローのコントっていう感じだねー。本人たちの直前の宣伝効果で、いやがおうでも気持ちを煽られてしまいます。

ひとしきりキャッキャとしゃべり終えたあと、そろそろ時間、とハケてゆく女子高生たち。去り際、たむけんが「このコントの内容には、後藤さんは一切関知してませーん」と一言残していきました。

意表を突いた始まりかたでした。

 

オープニングVTR

ハイブローメンバーの集合写真が何枚も。それからメンバーひとりひとりの写真も。それらが連続で映される、とても雰囲気のいいVTRです。こういうV、どこかで販売してくれへんかなぁ?

 

「7月4日に生まれたり生まれなかったり人それぞれ」

戦場の最前線で戦うたむら・鈴木・八木・白川・薮田。なんとか戦火をくぐり抜け、移動しようとしたときに、田中(薮田)が地雷を踏んでしまいます(足を離したら爆発する)。それを助けようとして、メンバーは次々地雷を踏んでゆく。でもそれは実は・・・最後に、女装したこやぶっちが出てきて、爆笑のオチ。

メンバーの名前が、田中、中田を始めとして、田中中、中田中など、ややっこしいものばかり。リーダー格のたむけんが、みんなに呼びかけるシーンがいっぱいあるんだけど、ちゃんと呼び分けられてたのがすごい。最初は何言ってんだか分かんなかったけどね(笑)。

最初のお芝居がこれ。コントやん、とも思った。けどやっぱり、普段見るハイブローのユニットコントとは違う。うまく言えないけど、雰囲気が違う。動いてるメンバーの顔も違う。ハイブローシアターwith後藤ひろひと、大王の効果は思ったよりも大きいらしい。

 

「北風と僕」

頭にウンコ帽子を被り、格好は登山ルックで山に登る浜本・高橋のふたり。ふたりは、1年生なのに新歓登山をしています。そのことに、高橋くんはすごく疑問を持っているんだけど、浜本くんの説得により、生き生きと登山を始めます。その説得っていうのが・・・。

うん、ほんと巧みな説得でした。これなら、頭にウンコ帽子被っても山に登れるっていうくらい。なんだかすごくバカバカしいふたりの様子が面白かったです。ボケもツッコミもないから、より演劇っぽいコントでした。

ネタの中で、頂上に着いた浜本くんが友人の遺影に向かって「お前にもこの景色見せたかったなぁ!」と涙ながらに語りかけるところがあったのですが、その遺影に写ってたのは、LaLaLaの大北くんでした(笑)しかもそれは実は遺影ではありませんでした(笑)

 

「西長堀レスキュー隊」

子供が金庫に閉じこめられてしまったので、現場に急行した西長堀レスキュー隊の3人(ビリジアン、君と僕柳谷)。その時点でもう2時間が経過していて、子供は危ない状態。3人は、金庫を開けるために、長年の歳月を費やして作成した金庫の開け方マニュアル・レポート用紙全4枚(笑)を取り出して、読み始めます・・・。だんだん趣旨がずれてくる。「金庫の開け方マニュアルを上手く読むために」全力を尽くす3人。やっぱりツッコミがいない。こんなに力の抜けるコントは初めてなのに、最後に3人が歌う「西長堀レスキュー隊の歌」と、やる気のない振り付けが、ますます、いい脱力感を増してくれます・・・。「♪にーしながほりレスキュー隊」

もしもこれを、「お芝居のイベント」と思わずに、普通のお笑いイベントとして見ていたら、これほど笑い転げたコントはないだろうなぁっていうくらいに面白かったです。お芝居がらみだって分かってるから、「なるほどねぇ」なんて通ぶっているけれど・・・。不思議なものです。

 

コーナー「ワークショップ1」

舞台には、今回のハイブローメンバーが全員。みんな、12月のハイブローで販売していたハイブローTシャツを着ています。ここで初めて、後藤ひろひとさん登場。ワークショップというものについて説明してくれました。これは、「工房」というような意味で、俳優さんが練習のために行う講座・練習、というようなモノなんだそうです。後藤さん、「今日はたむけんファッションでキメてきた」んだそうです。ハーフパンツに柄シャツね、後藤さんもお似合いです。

 

まず最初は、「右脳と左脳の練習」。両手を両膝に置いて、右手は膝を叩く、左手は膝をなでる、これを同時に。お客さんも一緒にやってみます。わたしはなんとかできたかな?舞台の上の人もちょっと苦労しつつ、なんとかみんな・・・いや、たむけんだけができない。何度やってもできない。「俺、どっちかの脳、脳死してるんちゃうか!?」とたむけん慌ててます。「俺、こんな人に怒られてたんかと思うと情けない」とは高橋くんの弁です。ここで、たむけんが脱落(笑)。

 

次は、舞台の上の人だけが挑戦。ラジオ体操の「大」の字になるやつ(陣くんのネタを思い出してください・・・)の応用版。ジャンプしながら、そのタイミングで手は閉じる・開く、足は開く・閉じる・閉じる、というようなものを繰り返します。これ、けっこう難しいと思います。場所をとるので、数人ずつが挑戦。白川くんが上手かった!意外に器用なんだねー。それから、さんちゃんもできてた。さんちゃんと一緒にやってたのが君と僕のふたり。眼鏡率100%。さんちゃんに向かってなんやかんやと言うたむけんに向かって「眼鏡やと思ってバカにしてたら吠え面かくからな!!」と言い返すさんちゃんがすごく可笑しかったです。吠え面かくって言葉、久しぶりに聞いたなぁ。

 

最後は、卒業試験です。「もうちょっと頑張っておけばよかった・・・」と嘆くたむけん(笑)。でも、ここでは後藤さんはたむけんを指名しました。たむけんが、「わたしは○○です」と嘘を付き、周りの人は、そのものだと思って記者会見でいろいろ質問をする、というゲームなのです。

たむけんは「わたし、実は、劇場なんです」と発言。周りの人は、たむけんを劇場として見て、質問をしていきます。
「できてからどれくらいなんですか?」「2日です」
「舞台の大きさはどれくらい?」「2畳半です」
「客席数は?」「立ち見も入れたら200くらいですね」
「主にどんなイベントをやってるんですか?」「主に大道芸を・・・」
「すきな人は居ますか?」「えー、扇町ミュージアムスクェアが・・・」
「ミュージアムスクェアは女性なんですか??」「女性だと聞いていますが・・・」
「ちなみに昨日は何のイベントをやってたんですか?」「昨日はアンディ・フグが2時間ずっとかかと落とししてました」
みたいな感じ。いろいろ、ちょっと変だなっていうところも多かったんですけど、なんとか問答は続くのです。だいたいいいかな、っていうところで後藤さんがストップをかけ、「怖かったーーー!」とたむけん、劇場から人間に戻っていました。「みんな、だんだんたむけんを劇場として見るようになっていたでしょう?」と後藤さん。俳優さんは、こういう問答を、自分の中で繰り返していくんだそうです。

 

訓練といっても、訓練される側が芸人さんだから、一筋縄ではいかないし、最後にやった問答は即興のコントのようでもあり、これで充分、お笑いのコーナーとして成立するし、それどころか、それより面白いものをやってるんやなぁって感心してしまいました。後藤効果は、こんなところにも。

 

ショートショート

「父親の義務」

お父さんが浜本くん、子供が鈴木くん。「絵本読んで〜」とねだる子供に、お父さんは絵本を・・・。ええ、たしかに読んでるんですが。

「現代人の心理」

心理カウンセリングを受けに来た八木くん。「この言葉で連想するものは?」と、カウンセラーのさんちゃんが差し出す言葉は・・・。言葉??

「都会の親切」

柳谷くんが道を歩いている。そこへ通りかかったこやぶっちは、自ら道を・・・。

「美智子」

子供(高橋くん)に、「お父さんとお母さんのどちらがいい?」と訊くお父さん(たむけん)。「お父さん」という答えに喜ぶたむけん・・・そこへ、「美智子!」と現れたのは・・・?白川くん。3児のネタにこんなようなものがあったような。

「お楽しみ会費」

小学校の設定。柳谷くんのお楽しみ会費が盗まれた。先生(たむけん)は「目をつぶっているから、盗んだやつは手を挙げろ」と・・・手を挙げたのは、藪田くんとこやぶっち。でも先生は、目をつぶっているの・・・。

「詩集売り」

路上で「詩集を買ってください」と、さんちゃん扮する少女に声をかけられた高橋くんは、「よし」と買ってあげようとする。でも、そこへ、男(白川くん)が現れ・・・「詩集を買う」のは誰に対して??

「自動販売機」

鈴木くんが、タバコを買おうとするが自動販売機が見つからない。すると、そこにいた男性(たむら)が「買えよ」と。戸惑う鈴木くんですが、たむけんにお金を渡すと、タバコが出てくる・・・たむけんのポケットから(笑)。

 

ショートショートといっても、星新一の、というようなものとはちょっと違いましたね。ああいう不思議なオチというよりは、もうちょっと分かりやすい。どちらかといえば普通のショートコントに近いものでした。でも、お笑いのショートコントともちょっと違ったかもね。オチが終わってからワンテンポ置いて笑いが来る、みたいな感じでした。

 

「安藤さん」

銀行強盗を犯した柳谷くんが、女子行員のこやぶっちを人質にとって立て籠もってる。そこへ、ふたりの刑事、藪田くんと浜本くんがかけつける。「安藤さん」というのは、先輩デカの浜本くん。彼は、とても奇妙な「説得」で、犯人を、混乱させ、うまいこと投降に誘導します・・・。安藤さんの説得を聞いていたら、わたしも混乱しそうでした、っていうか、混乱してしまいました(笑)。これって、意外と立て籠もりの説得のときに有効かもしれません・・・って、犯人、キレちゃうだけかな??こういう風に言葉が心の表面に絡みついてくるようなお芝居、かなり面白いです。浜本くんの妙に滑舌のいい説得もたまんないものがありました。藪田くんのとぼけた後輩デカぶりもツボでした。実はこの日、いちばんハマったコントでした。

 

「孫は火星に飛ばされる」

ある部屋のようなところで、たむけん、高橋くん、白川くん、鈴木くん、八木くんが会合のようなものをしている。出席をとってみると、苗字は全員「オオヌキさん」。そこへ迷い込んできたさんちゃん。この場所は、「とっぴょうしもないホーム」というところで、会合に参加した人は、突拍子もないことを言い合う、というところ。さんちゃんにはそれらは知らされていないのに、強制的に参加させられて・・・。名前もオオヌキさんに変えられてしまいます。

タイトルの言葉は、突拍子もないことが言えなかった人へのペナルティでした。誰だったっけこれ?オオヌキさん(高橋くん)だったかな?彼は、突拍子もないことではなく、不可解なことを言ってしまったのでこんな理不尽なペナルティを課されることになってしまったのです。

不思議なコントだったぁ。こちらの方がショートショートっていう感じがしますね。そういう意味では、すごく好みでした。

 

コーナー「ワークショップ2」

これも、演劇の練習に使われるという、シミュレーションのようなものです。最初のゲームは、後藤さんも含めた全員で、1〜10までの番号が書かれたカードと、「解答者」と書かれたカードをくじ引き。1番がいちばん偉くて、10番がいちばん地位が下。解答者はそれを知らされずに、みんなのやりとりでその順位を当てる、というもの。お客さんは誰が何番が全部知らされます。目をつぶってカードを引いているあいだの芸人さん、すごく不安そうでした(笑)。

解答者になったのはさんちゃん。順位を最初に全部書くと、1.たむけん 2.白川くん 3.八木くん 4.小藪くん 5.柳谷くん 6.高橋くん 7.浜本くん 8.後藤さん 9.鈴木くん 10.藪田くん でした。たむけんはいつもとキャラが被ってるから、偉そうにしていても当てにくいだろうなぁって思っていたのですが、案の定っていう感じでした(笑)。そして、9番目の鈴木くん、10番目の藪田くんのコビることコビること。メシ行こうかー、ってことになって、「タクシー待つあいだ靴舐めときます」って藪ちゃん、はっきり「自分がいちばん下」って言ってるようなものだよね。

と、こんな風に、けっこう分かりやすいやりとりが行われたのでした。八木くんが天然でちょっと場を乱していた意外は(笑)、さんちゃんも分かりやすかったみたいです。全て正解でした!分かりやすい方が、笑いには持っていきやすいのかもしれませんね、見ている方が、すごく面白かったです。舞台の上の芸人さんたちも、「楽しいなぁ」「子供会みたい」とちょっとはしゃいていたので微笑ましかったです。

 

 

次のゲームは、全員がカードを引いて、その中に1枚ずつ「犯人」「指示者」「探偵」「判事」というものが含まれている。みんなが目を伏せている中、指示者と犯人だけが顔を上げ、指示者がひとりを指名し、犯人がその人を思いっきり叩く(笑)。叩かれた人は「被害者」となり、それを見た「探偵」が他の人にいろいろと質問をしながら、誰が指示者で誰が犯人か当てていく、というもの。解答は5回までで、正誤の判定は判事が下します。BGMは古畑の曲。

さて、判事は後藤さんがすることになり(そしたら八木くんが余ってしまった。彼はこのゲームの最中ずっと暇だったのでした(笑)))、「犯人」は小藪っち、「指示者」は藪田くん・・・。藪ちゃんが指示するんだったら、100%たむけんが殺されるんじゃないの??と思っていたら・・・そーっと立ち上がった藪田くんは、ニヤリと、たむけんを指さしました。それを見て小藪っちもおどけてて、それだけで会場爆笑。「声が出るくらい殴っていいよ」という後藤さんの言葉通り、こやぶっち、思い切りたむけんをはついてました。

判事が「探偵は誰ですか?」と舞台に問うと、「・・・僕です」たむけんだったのでした。被害者と探偵が同じ人物。これは当てるぞ!と意気込むたむけん。「前の方で靴がキュッって鳴ってん」と、いろんな人に靴の音をさせてみたり、いろいろと探っていました。犯人と指示者は嘘を付いてもいいので、なかなか真相までたどり着けないのですが、結局、1回目の答えが犯人と指示者が逆だっただけでいちばん惜しかったのでした。5回答えるうち、だんだん答えが遠くなっていっちゃってました。ちなみに、被害者や犯人など以外の人も、誰が誰だか分かっていないのですが、さんちゃんが「たぶん犯人が小藪で指示者が藪田でしょ?」と、当てていました。さすがメガネやねー。

 

 

最後のゲームは、「伝言ゲーム」。ただの伝言ゲームではなく、指定された言葉を、「指定された行」でだけしゃべることができる、というもの。「ゴジラ」を「パ行で」なら「ポピパ」という感じ。でも、八木くんにかかると「パピラ」らしいですけど(笑)。2チームに分かれて対戦。たむけんチームはさんちゃん、小藪っち、白川、藪田。鈴木チームは八木、高橋、浜本、柳谷。

まずはたむらチーム。お題は「東京都知事」を「ハ行で」。最初がこやぶっち。手で東京タワーを形作りながら「ホウホウホヒヒ」と。ついでに「ハンホフヒンハフヘン」三国人発言なんて言ってみたり。2番目がたむけんで、「ホウホウホヒヒ??」とめっちゃ考え込んでたたむけんでしたが、途中ハッと思い当たったように「ホウホウホヒヒ!」晴れやかな顔に(^^)。そんな調子で伝言ゲームは続く。でも結局次の人でダメで、合計2点。

次は鈴木チーム。「茶道2段」を「ピャ行」で。「ピャピョウピピャン」ってなります。最初に言うのが柳谷くん。茶道のジェスチャーをしながら「ピャピョウピピャン」、そして自分を指さして「ポペピピャン」俺2段。2番目の鈴木くんは、「俺2段」とは理解してました。そして茶道のポーズも分かってた。でもやっぱり3人目以降からはダメでした。

 

 

こういうゲームを、後藤さんに教えてもらいながらこなすメンバー。このワークショップ、演劇の世界にだけとどめておくのはもったいない、って思うくらいに面白かったです。こんなのお笑いに採り入れたら、イベントとかかなり盛り上がると思いました。

 

エンディング

そのまま全員でエンディング。今回こういう試みでイベントをやって、次は後藤さんが長編のお芝居を書いてくれるかも、という話になり、「なんやったら次回にでも」という後藤さんの言葉を貰えました。後藤さんにもこのメンバーのお芝居は良かったようで、次回がすごく楽しみになりました(でも筆者は行けないんですよね・・・)。

 

正直、お芝居イベントと聞いていたので、いつものハイブローでやっているマジ芝居のようなものを全編を通してやるのかと思っていたのですが、この「ハイブローシアター」ではオムニバス形式のコメディを数本に、ワークショップふたつと、わりとバラエティっぽいイベントになりました。でも、なんどもコメントで書いてきたけれど、やっぱり普通のお笑いライブとは違いました。「お笑い」と「演劇」が融合しようとしている。その先に、どういうものが見えてくるのか。そのきっかけを作ったイベントだったと思います。これがまたたむけんやハイブローメンバー、それから後藤さんのライフワークになっていったら、このbaseからすごく面白いものが生まれてくるのかも知れません。

単純にケラケラたくさん笑えたのに、こんな感想も持てた。わたしが今まで見てきた、どんなライブとも違うライブでした。

 

 

(2000.7.23記)

 

 

 

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