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7月4日「ガブリエル・バカストゥータ」レポ

始めに。

大阪では、ライセンス5回目のソロイベント。ライセンスのソロは毎回お客さんが少ない。たぶん今のbaseでいちばん少ない。そのことにこの5回、首を傾げたり納得したり。残念なことに前回の「燕」は、納得のほうでした。ライセンスはこんなもんじゃない、って思った。だけど、だからこそ、今回は、きちんとやってくれるんじゃないだろうかと、勝手に推測してた。今回は、行った方がいい。なんだか知らないけれど、そう思って劇場に行きました。やっぱり今回もお客さんは少ない。半分も埋まっていたかなぁ?

 

オープニング

まず、陰マイクは井本くんの声で、「あっ、世界まるみえ見な!」。すると日本テレビの「世界まるみえテレビ特捜部」のVTRが流れてきます。楠田枝里子やビートたけしなどお馴染みの人たち。「何が始まるの?」とちょっとキョトン。

それから、VTRは、このイベントタイトルの由来になったであろうサッカー選手ガブリエル=バティストゥータの美技を撮したものへ。井本くんはこういう人にもなりたかったのかなぁ、なんてちょっと考えていました。

 

舞台には、井本くん扮する西洋人が現れて何かしゃべってる。訳すのは、陰マイクのフージー。彼はどうやら、テレビ番組「ガブリエル・バカストゥータ」の司会者のようです。

司会者がハケて、またVTR。今度はフージーの写真が大撮しになっています。女の人のナレーションで、「彼の名は藤原一裕。とっても内気な彼は、吉本で芸人をしています」。・・・なんだか、フージーという人物を中心に、イベントが進んでいくみたい。ライセンスのイベントなんだから当たり前のことかもしれないけれど、でもこういうのって、奇妙に新鮮な気がします。やっぱり、今日のイベントはいいかもしれない、と思いながら、ネタへ。

 

ライセンスのコント

ライブ終わりのライセンス藤原。「相変わらずスーパーベースだけはウケるなー」とひとりでつぶやいてる。スーパーベース「だけ」ってどういうことやねん、とちょっと笑ってしまいます。劇場から出てきたフージーは、井本くん扮する、「井本ファン」の子に声をかけられ・・・最近イタいファンだのそういうのがネットやなんかで話題になってるけど、そういうファンってこういう人のことを言うんかなぁと思う、そういうしょうもない論議を笑い飛ばしたようなキャラの井本くんがほんとによかった!こういう役をさせたらほんとハマるし、男前だってことも忘れる!もちろん、怒ったり翻弄されたりするフージーもよかったです。2丁目でこんな感じのコントを見て、ライを好きになったんです。だから、たしかにスーパーベースでやってもウケるだろうとも思いました(笑)。

 

「後悔」

字幕が出て、またフージーの写真。ナレーションは、「彼には、ひとつ後悔がありました。芸人になる前に、素人参加型のクイズ番組に出ることが夢だったのです」。

 

コントは、クイズ番組の「ミリオネア」ならぬ「ボケテミヤ」に、フージーが出場するというもの。司会者は、みのさんではなく「いのさん」。「ボケテミヤ」ですから、クイズの答えはすべてボケ(でも「ファイナルアンサー?」というやりとりはちゃんとある)。着々と賞金を増やしていくフージーですが、答えの寒さったらなかったです。でもそれ自体がネタなので、どんだけ寒くて苦笑いしてしまっても、「この先どうなるんだろう?15問目までいけるのか?」と、普通に心配してしまう感じで引き込まれてしまいました。ソロイベントならではのネタ(しかもミリオネアの番組が終了したらできなくなるし)だと思うので、見るのは最初で最後かもしれないけど、ちょっと印象深いネタになりました。それは決してわたしがクイズ研だからではないと思います(笑)。しかし、自信満々で寒いボケを言うフージー、可愛かったなぁ(^^;

 

 

フージーの映像は、雑誌か何かのインタビューのよう。「もしも、芸人になっていなかったらどうしていましたか?」という問いに彼はいつもの渋い声で「・・・一歩間違えれば犯罪者だったかもしれません」と答えます。

ユニットコント

取り調べ室の設定。スカジャンを着たフージーは犯人風。井本くんが老刑事で、ユニット参加のシュガーライフは若い刑事。フージーはいきなり「やりました」と白状。なのに井本くんは全く耳を貸そうとせず、「お前がやったんだろ!?」。若い刑事もおんなじで、フージーは怒ったり戸惑ったり・・・。

取り調べなんてよくあるコントだけど、こんなの初めてでした。とんちんかんなやりとりなのに、怒鳴り合う4人がすごい迫力だし、すごく面白かったです。よくこんな設定考えつくよなぁ、やっぱりライセンスってすごい。

ただちょっと思ったのは、このコント、ライセンスだけで充分なのでは?ということ。いつかライのコンビネタとしてこのコントも見てみたいです。だけど、そうなると、コントの中でシュガーライフの植松くんが口走った、「こいつは・・・スカジャンの皮をかぶった人間ですよ!」という、めっちゃ面白かったセリフはなくなっちゃうんですよね(^^;←スカジャンは人間の着るモノやん、と、客席だけじゃなく、舞台の芸人さん(植松くんまで)爆笑してしまったセリフだったので。

 

 

フージーのこと。ナレーションで、「彼は、わたしたちの取材中、相方の井本くんと、延々3時間、面白くないことをしゃべり続けていました。彼は、本当におしゃべりずきです」。

そして

「トークコーナー」

ライのイベントでトークコーナーがあるのはもう恒例だね。でもわたしは、ライセンスが初めてワチャチャライブでMCをしたときの感動がなかなか忘れられないので、トークコーナーがあるたび嬉しくなってしまいます。

前回に引き続き、井本くんの寝るときの話から。前のイベントでは、「壁に向かってうつぶせ」で寝るという話をしていましたが、今回は夏ということで、冷房どうしてる?という話題。井本くんはなんと、冷房を16度にして寝ているんだそうです!もちろん布団はガッチリ被って・・・井本くんは、そうしないとダメやねんと力説するのですが、「そんなん光熱費のムダやん」とビックリするフージーをさらに驚かせることに、彼は、なんと、16度の冷房はタイマーで1時間だけかけて、あとはめっちゃ暑いまま寝るんだと言っていました。「起きたとき汗びっしょりや」って当たり前!体温めちゃくちゃになるなあと、大笑いするとともにちょっと井本くんの体の心配をしてしまいました。

寝るというキーワードからか、こないだフージーがイベントの打ち合わせに大遅刻した話へ。夜の10時からだったのに、思い切り寝てて、来たのは3時だったんだそうです。井本くんは心配して、フージーの携帯に40回くらい電話したけど、公衆電話からかけてたのでそのうち20回くらい、間違い電話だったんだそうです(笑)。でも、フージーはゼンソクの持病を持っていて、前に家にひとりで居るときに発作を起こして、井本くんに死にそうになって電話をかけてきたという前科があるから(井本くんが駆けつけて薬飲ませたらケロッと治ったらしいけど)、井本くんは、遅刻して怒るというよりも、また倒れてるんじゃないかと思ってすごく心配してたんだそうです。何十回かかけてやっとつながった電話の第一声も、「よかったー」だったんだって。前にもフージーが遅刻してきたとき、井本くんはひとりですごい心配してて、楽屋に血相かえて飛びこんできて「藤原知らん!?」ってすごい迫力でみんなに訊いてまわってたともしゃべってた。それきいてフージーも笑ってた。わたしもすごく笑ったけど嬉しかった。いいね、コンビ愛だね。

ちなみに今回の大遅刻の理由は、「9時15分までは起きててん。ちゃんと覚えててん。でもそこから沖縄ソバ食べたらめっちゃ眠なって・・・」だって。「沖縄ソバ美味かった」と笑うフージーに射抜かれてしまいました(^^;

ライセンスの東京でのレギュラー番組「吉本ばかな」で、シャンプーハットと一緒にバンドをやっている話。井本くんがギターで、フージーがベース(ボーカルが小出水くん、ドラムがてつじくん)。フージーはひとりで部屋でベースの練習をしていると、音が低いだけになんだかどんどん暗くなっていくんだそうです。しかも、みんなでの練習のとき、番組のえらい人にすごく怒られるんだそう。その人は東大出のえらい人なんだけど、チビ・デブ・メガネ・天パでしかもしゃべり方もイヤでとにかくムカつくんだそうです。

そんな話から、井本くんの虚言癖(?)の話へ。そのバンドのギターを持って新幹線に乗ったとき、隣りに座っていた男の子に「バンドやってるんですか?」と訊かれたことから、どんどん増長して、中2からギターをやっていて、今は「包茎坊主」というパンキッシュなバンドをやっているギタリスト、と嘘をついていってしまうこと(このバンド名は「ばかな」で実際にやっているバンド名だそうです。なんとゆーバンド名・・・)。タクシーの運転手さんに、「サッカー選手ですか?」と訊かれたので、勝手にJリーガーになってしまったり、でなければ「アクア」に勤めるカリスマ美容師と名乗ってみたり・・・(そしてみんな信じるんだそう)。そんな罪のないものなのですが、そういう職業の人に間違われる井本くんもすごいし、そう問われると増長してしまう井本くんもすごい(笑)。でもこういう人が芸人になるのは、すごく正解なんだろうなとも思いました。

あと、やはり前回のイベント「燕」で話題になった、フージーの「鼻からうどんを出し入れする」という特技の話。次のイベントでは舞台でやると言ってましたが、別にやらなくてもいいです(笑)。

 

なんだかすごく、ライのトークを堪能したという感じ。エピソードがどれも面白かったのでそれだけでも楽しかったし、ライセンスの仲良しぶりもいっぱい見せつけられたし。すごく密度が濃くて、もっと聞きたいって思いました。このレポを書いている今でも、この時間のことは鮮明に、微笑ましく思い出します。

 

 

VTRは、またフージーに切りかわる。「藤原」という苗字のことについて、彼がしゃべってる。「もっと変わった苗字がよかった」。

コーナー「苗字を当てよう」

シュガーライフも加わってのコーナー。舞台には、長身で男前な人が3人も揃っていて壮観だったのですが、またひとりだけ背が低くて井本くんスネてました(笑)。男前っていう部分ではむしろ勝ってるくらいだから元気出して欲しいです(^^)。

さてこのコーナーは、指定された苗字の人を、勘だけで客席から連れてきたら、苗字の珍しさに応じたポイントが入るというルール。仕切りがフージー。決して多いとはいえないこの日の客席から指定された苗字を見つけるなんて無理やろ、と思っていたのに、このコーナーでのできごとは、本当にこの日のbaseには何かの神さまが居たとしか思えなかったのです。

 

まず、いちばん低い10ポイントで指定された苗字は「田中」。挑戦するのは植松くん・・・客席に降りてお客さんの顔を見回した彼が指名した女の人に苗字を訊くと、「藤原です」という答え。「あら、偶然やねー」という風に客席は笑っていたのですが、フージーの様子がちょっとだけ変・・・「いとこの姉ちゃんやねん」。「えっ、マジで!」と他の3人、まさに驚がく。植松くんはもちろん、知らずに指名したので、ほんとビックリしてました。でもこんな出来ごとは、プレリュードでしかなかったんです。

安達くん指名の30ポイントは、「原田」という苗字。この名前は、ライセンスにもともともうひとり居た人、「3人目のライセンス」の人の名前なんだそうです。安達くんは、客席のほぼいちばん後ろに居た男の人を指名して苗字を訊いたとき、わたしはほんと、耳を疑いました。原田さんだったんです!

わたしは昔から苗字や名前の由来などに興味があって、小さい頃から名字に関する本などをけっこう読んできました。けっこうありふれている苗字でも、そんなのが当たることなんて滅多にないって思ってて、だからこのコーナーも「当たるわけない」って高をくくっていました。でも、これが、ものすごい確率で起こったことだというのは、そんな本とかなんか読んでなくても分かりますよね。わたしは、このライブはひとりで見にいっていたのにも関わらず、思わず「ウソ・・・」と声に出してしまいました。この時点で奇跡がふたつ。

3人目、井本くんが挑戦したのは90ポイント。当然、あまり平凡ではない苗字になるわけで、指定されたのは「陸奥(むつ)」。昔の外相でこんな名前の人がおった気がしますが、わたしもこの名前の人に実際に会ったことはありません。舞台の4人は、「東北のほうに多いんちゃう?」と言い出してたんですが、「陸奥の国」とは言うけど苗字ではそんなに居ないと思うなあ。「東北に実家があるとかいう人?」と客席に問いかけられたので思わず手を上げちゃったりして(^^;こんな風に、わたしとしてはひとりでドキドキしていたのですが、流石にここは、井本くん正解ならず。

一巡して植松くん。20ポイントの苗字は山田・・・客席のうしろにいるなんだかやたら目立つ男の人をイジったあと、指名した人は・・・ほんとに山田さんでした(身分証も確認した)・・・ここまで来たらもう、口ポカーンって感じ。フージーは、「俺の部屋に霊が出るようになったのは、こんな奇跡みたいなことが続けて起きてからだった」って言い出すし、安達くんは「今年シュガーライフは!」って叫んで震えてるし、当の植松くんはいちばんビックリしてるし・・・ほんと驚きました。お笑い見に来てるのに「驚く」なんてこと、そうそうないよね。

この時点で、植松20ポイント、安達30ポイント、井本0ポイント。安達くんは冒険に出て、70ポイントの「徳川」さんに挑戦。またさっきの男の人をイジってた。ま、これはいませんでした。会場自体にもやはり居なかったようです。

ラスト、井本くんは、もっと低いポイントでも逆転できるのに、100ポイントの「志村」に挑戦することになりました。「お笑いのライブに志村って人が来てたら面白いな」という発想なんだそうです。最後まで、さっきのイジりやすい男の人と悩んだ挙げ句、連れてきた人は志村じゃなかったのですが・・・。ためしに、と訊いてみた、さっきの男の人の苗字が、志村だったんです。これもマジ。ちゃんと免許証確認してたもん。

4たび、baseは騒然となり、このコーナーは幕を閉じました。少ないお客さんが、こんなにビックリするなんてね・・・。ライセンスとシュガーライフ、本当にお祓いしてもらったほうがいいかもしれません。あービックリした!

 

最下位の井本くんには罰ゲーム。井本くんは目隠しして、罰ゲームの内容は客席に見せられます。それを見て、思わず吹き出しそうになりました。
「罰ゲームと見せかけて、ひとり舞台に残される」
というものだったからです。フージーとシュガーライフがそーっと舞台から去り、井本くんは、どこから何が襲ってくるんだろうとおそるおそる動いてみます。ビクビクしてるのが可愛い。もちろん、舞台には何もいません。うしろに下がっていって、壁を触って何だと思ったのか「あーっ!」と大声を出したり、舞台のひと気のなさに気づいたのか「藤原?」と不安そうによびかけてみたり。でも客席もうまいこと「あ!」とか声をあげて戸惑わせてたんですよね。

やっと気づいた井本くんは目隠しをとったのですが、何もない舞台に怒る間もなく、舞台そでから紙が飛んできました。そこには「一発ギャグでコーナーをしめろ」という指令が書かれてありました。ワハハ、井本くんの一発ギャグなんか見たことあったかなぁ。そんな貴重な一発ギャグは「カッコいい醤油のとり方」でした。ほんまにカッコよかったです(笑)。

 

 

VTRはフージーのものへ。彼は、自分が自殺する夢を見ました。そして「冬眠する動物は、夢を見るのかな」とつぶやきます・・・。

ライセンスのコント

36歳になったフージーは、借金を抱え、妻と子供を残して自殺しようとしている。遺書も起き、靴も揃えて今まさに、ビルから飛び降りようとしたそのとき、「ハイ、カット!」という声がかかる。そこに現れたのは・・・

たとえば「金魚すくい」とか「昆虫救助隊」とか、「侍転校生」とか、ライセンスのそんな懐かしい、でもきっと今見ても面白いコント。そんなのから繋がってるなぁと思う、井本くんのキ○ガイっぷりが嬉しい。そしてそういうネタだと、フージーのツッコミはますます映える。肩の力を抜いて楽しめる。たった1年やそこら前、ライセンスがきちんと伸びていってくれるか、すごく心配していたときがありました。今となっては、「そんなこともあったなぁ」と笑っていられるのは、こうやって素敵なコントをずっと見せてくれるから。これからは、心配ではなく、期待をしています。

 

 

「ライセンスの共通の趣味は、痛いこと。ライセンスはマゾなのです。」とまたナレーション。このイベント、ラストのコントへ。

ライセンスのコント

全編が、言葉遊び。いろんな意味で、お互いが「痛い」「イタイ」と思うであろう言葉を言い合い、その痛さを楽しむという、不思議なコント。どちらかというと、「ふたりだけの世界」。ふたりがいちばん楽しそうでした。イタイというよりもサムイというのも多かったし、このイベントの中のコントでいえば、「ボケテミヤ」にちょっと流れが近いのかしら?なんだか、今までのライセンスらしくない、新境地なコントだったなぁと思います。でも、すっごい面白かった。たぶん、スーパーベースとかの普通のライブではなかなかできないと思うので、こういう実験的なこと、どんどんやっていって欲しいです。

 

 

VTR

ナレーション「長期間に渡る我々の取材に対し、彼はこんな言葉を残しました」
フージーの声「脳味噌あま〜い!」(←一発ギャグ)

そして、「世界まるみえ」の司会者が登場・・・VTRは「終」。

 

 

全体を通して見ると、すごく不思議な雰囲気のイベントでした。バティストゥータは関係あるのか、フージーの人となりとイベントはどう絡んできてるのか、世界まるみえはどういうことだろ、とか、いろいろ考えてもしまうのですが、だけど、なんだか納得させられてしまう強い流れも持っていました。前回のイベントも同じ感じだったのに、今回はすごく楽しめたのは、ネタやコーナーのひとつひとつがしっかりしていたからだと思います。もともと、「コントが面白かったから」好きになったライセンス。やっぱり、彼らはこうでなくちゃ、と思います。baseの中では、東京の仕事も多くて、ちょっと異端視されている感じもするライですが、イベントでは関係ない。だからこそ、ライセンスのソロイベントにお客さんが少ないことは、すごく残念に思います。

 

(2000.9.12記)

 

 

 

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