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<実録!マスターはぢめて物語>
「じゃあ脱ぐ。」
(えっ?)
「オレも脱ごう。」
(まぢ?)
「じゃ、オレも。脱いでくつろぐ。」
(なんでぇえッ?!)

 いきなり脱ぎ出すPCに、マスタースクリーンの陰で脂汗を流すDMは、いったいどこで間違えたんだろうと善後策に頭を悩ましたのでありました。
 私が初めてマスターデビューを果たしたのは、平成8年11月。システムはD&Dです。
 1ヶ月の付け焼き刃。プレイヤーは総勢6名。シナリオは早くも私のRPG常識のなさに、混迷の様相を呈してきました。
 シナリオは、子供達が連続して行方不明になっている、とある村にプレイヤーがやってくるところから始まります。ここで、『子供達を探せ!』というシナリオはつまらないなぁと、妙に色気を出したのがつまづきの始まり。
「村はずれに最近やってきた男爵(!?)から、彼の代理人として仕事をしてくれないか、という依頼が夜中にやってきます。」
「男色?」
「男爵です。」
男色か・・・まずいな」(笑)
「いや、男爵です!ダ・ン・シャ・ク!(声、小さかったのかな?)」
 実は、からかわれていたんだけど、気づかず声を張り上げる。
 男色、いや男爵問題で10分くらいかかったかも。
「ミスタラ世界だろ?男爵といえば、かなり高位な人だぜ。なんだろう、いってみるか」
 とりあえず、その男爵の別荘にやってくるPC。まぁ、くつろいでくれたまえ、ともてなす男爵。
「じゃあ、お言葉にあまえて。鎧とか脱いでくつろごう」
 ・・・・というのが上記のてん末。


(鎧って脱げるのか!?)
「そりゃ、貴族さんにくつろげといわれてるのに、武装してるのは失礼だよ」
(そ、そうか)
「普通、町にいる時とかもガチガチに武装してることはないしね」
(そ、そーゆーものか)
(で、でも、ここで脱がれては・・・!)
 じつはこのシナリオ、『当の男爵こそが近辺の村の子供をさらっては喰っちまうデビルスワインだったのだ!!』というネタで、男爵の館に来たPCが『異変に気づいてやっつける』とゆーオチを予定していたんです。

「ちなみに、鎧を身につけるのは30分位かかるらしいよ」

(あああぁ、やっぱし脱がないでえぇ〜)
 D&Dは鎧を着ていないと、ハダカも同然。心の叫びもむなしく、戦士と二人の僧侶がハダカになってしまった。
 上等な服に着替えて食卓につくPCたち。
「給仕が肉のシチューを運んできます。でも、皿を置く手が震えています・・・」
「中風か?」
「なにか、訴えるような目をしています(マスター自身が訴えるような目をしている)。」
「いっただきま〜す♪」
(喰うなぁああ!)
 知ってか知らずか(後者の確率大)戦士と僧侶と魔法使いが人肉シチュー(睡眠薬入り)を喰ってしまった。そして爆睡。
 PCはいともやすやすとデビルスワイン男爵の罠に堕ちまくり
 自分が仕組んだ罠のくせに、PCが苦境に陥るほどハラハラするマスター。

 ・・・色々あったけど、いよいよパーティは館の地下へ。「ここからマッピングしてもらいます。」
「・・・あの〜、マスター」
「なんでしょう?」
「その説明でいくと、そこ、となりの壁んなかになるんですが」
 (・・・しまったぁあ!!)
 なんと、私の用意したダンジョンは
壁厚がゼロだったのです。
 オートマッピングをはじめる。しくしく。

「扉があります。」
「聞き耳。罠。あける」
 がちゃり
「犯人はおまえだっ!(びし!)」
(ちょっとまて!)
 なぜか隊列のまん中にいるはずの魔法使いが部屋の中にワープしているし(笑)
「クローラーがおでむかえ。しゃー!」
「あわてて扉をしめる」
「おっと、魔法使いがまだ部屋の中に。」
クローラー:「しゃー」
「たぁすけてぇ〜」
 ・・・なんてことをしているから、魔法使いは魔法を撃ちつくしているわ、戦士も僧侶もハダカだわ、とんでもない状態でパーティはデビルスワインと対決することに。しかも、デビルスワイン男爵は強敵で、ハダカの戦士はバリバリHPを削られてゆく。初めてのマスターでパーティ全滅か?
 しかしここで魔法使いが偶然持っていたトリカブトのおかげで、デビルスワインは壁をやぶって逃走。なんとか死なずにすんだPCたちは、捕らえられていた子供たちを解放し、めでたしめでたし・・・

「マスター・・・ここ、地下室じゃなかったの?」
「え〜と・・・隠し通路があったみたい。」

−終−
2001/06/19
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